A |
ARW機能(アンチリセット・ワインドアップ)
PID制御での制御開始時,大きな偏差[目標値(SV)と現在値(PV)の差]があり,積分動作は現在値(PV)が目標値(SV)に達するまで一定方向に働き続けます。その結果,積分量が過大になりオーバシュートが発生します。
ARWを設定して,積分動作をする領域を制限することでオーバシュートを抑制します。
0%設定時,積分動作領域が最小の設定でオーバシュート抑制が最大になります。
50%設定時,積分動作領域が中の設定でオーバシュート抑制が中になります。
100%設定時,積分動作領域が最大の設定でオーバシュート抑制が最小になります。
オートチューニング機能を使うと,制御対象に対して適切なARW値を自動で設定できます。
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O |
ON/OFF動作
現在値(PV)が目標値(SV)よりも低い場合制御出力をONにし,現在値(PV)が目標値(SV)を越えた場合制御出力をOFFにします。
オーバシュートやハンチングが生じますので,精度を要求する温度制御には向きません。
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P |
P動作(比例動作)
比例帯の中で,目標値(SV)と現在値(PV)の偏差に比例した操作量を出力する制御動作をいいます。
現在値(PV)がA点に達するまでは出力はON,これを越えると(比例帯に入る),比例周期で制御出力がON/OFFし始め,目標値(SV)を越えると完全に制御出力OFF状態になります。
[A点から目標値(SV)へ昇温するにつれ,制御出力のON時間が短くなり,逆にOFFの時間が長くなります。]
ON/OFF動作に比べ,オーバシュートはなくなり,ハンチングも小さくなりますが,オフセットを生じます。
オフセット修正機能によって,オフセットを0にする事ができます。
P動作は,気体圧力制御やレベル制御のような無駄時間の無いプロセスに向いています。
比例帯を大きくした場合
低い温度から制御出力がON/OFFするため,温度が目標値(SV)に昇温するまでに時間がかかり,またオフセットも大きくなります。
比例帯を小さくした場合
目標値(SV)付近から制御出力がON/OFFするため,温度が目標値(SV)に昇温するまでの時間は短くオフセットも小さくなりますが,ハンチングが大きくなります。
※比例帯を極端に小さくしますと,ON/OFF動作と同じような制御になります。
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PI動作(比例+積分動作)
P動作で生じたオフセットを,I動作が自動的に修正し,目標値(SV)で温度制御を行います。
しかし,外乱による急激な温度変化に対しては,温度が安定するまでに時間がかかります。
PI動作は,変化速度の遅い温度制御に向いています。
I動作の時間を短くすると,修正動作は強くなり,オフセットは短時間で修正されますがハンチングを起きやすくします。
I動作の時間を長くすると,修正動作は弱くなり,オフセットの修正に時間がかかります。
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PD動作(比例+微分動作)
PD動作は,P動作に比べて外乱による急激な温度変化に対しても応答が早く,短時間で制御を安定化させ,過渡応答特性の向上を図ります。
PD動作は,変化速度の速い温度制御に向いています。
D動作の時間を短くすると,修正動作は弱くなり,急激な温度変化に対する応答が遅くなります。
また,昇温時の急激な温度上昇を抑制する働きが弱くなる為,目標値(SV)までの昇温時間は早くなりますが,その分オーバシュートが起きやすくなります。
D動作の時間を長くすると,修正動作は強くなり,急激な温度変化に対する応答が早くなります。
また,昇温時の急激な温度上昇を抑制する働きが強くなる為,目標値(SV)までの昇温時間は遅くなりますが,その分オーバシュートが起きにくくなります。
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PD動作時のリセット
比例(P)動作または比例+微分(PD)動作において,生じるオフセットをなくすよう修正することをいいます。
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PID動作(比例+積分+微分動作)
PID動作は,制御動作のすべて(P, PI, PD)を兼ね備えた制御動作です。
簡単に説明しますと,P動作でオーバシュートやハンチングを抑制し,I動作でオフセットを修正し,D動作で外乱による急激な温度変を短時間で収束させます。
このように,PID動作を使用することで,今まで以上の理想的な温度制御を行うことができるようになります。
オートチューニングにより,比例帯(P),積分時間(I),微分時間(D)およびARW各設定値の最適値を自動的に算出できます。
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PVフィルタ機能
現在値(PV)の一次遅れ演算を行い,現在値(PV)の変動が激しいプロセス(圧力,流量など)の現在値(PV)を安定させる機能です。
PVフィルタ時定数が大きすぎると,応答の遅れにより制御結果に悪い影響を与えることがあります。
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S |
SV上昇率(下降率) (設定値ランプ)
目標値(SV)の急激な変化が起こった場合,制御の目標値(SV)を徐々に変化させる機能です。
目標値(SV)が1分間に上昇(下降)する値を設定します。
目標値(SV)を変更した時,変更前の目標値(SV)から変更後の目標値(SV)まで,設定された変化率(℃/分)で制御します。
電源投入時は,現在値(PV)から目標値(SV)まで,設定された変化率(℃/分)で制御します。
SV上昇率(下降率)を0または0.0に設定すると,この機能は働きません。
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3 |
3導線式(測温抵抗体)
測温抵抗体において抵抗素子の一端に2本,他端に1本の導線を接続し,導線延長時の導線抵抗の影響を除くようにした方式です。
ただし,計器によりその精度を満足する為に1導線当たりの許容抵抗値があります。
センサ・検出端はこちら
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